キャッシング審査で重視される職業・属性について解説

キャッシング審査は、基本、僕らが申込時に記入(または入力)した属性情報を元に行われます。昔と違って今ではだいぶ記入項目は少なくなりましたが、それでもかなり多いです。

申し込む者としては、どんなところが重視されるのか気になりますが、このページでは、元貸金業者マンのぜにぞうの経験を元に、審査で重視される職業や属性、社会的信用の高さなどについて解説したいと思います。

↓このページの解説動画(6:54)↓

審査で重視して見られるのは何?

審査で重視して見られるのはズバリ「返済能力」です

どういう項目がキャッシング審査で重視されるかといった具体的な話の前に、貸金業者がどういった観点で審査をしているのかをお話します。

それは、ズバリいうと、返済能力があるか?の一言につきます。

貸金業者や銀行などお金を貸す側のビジネスがどういうものかといったら、お金を貸して、利息をいただく、というシンプルなものです。

でも、貸したお金を返してもらえなかったら、利息が入ってこないどころか、元手も踏み倒されて、大穴を開けられたら、少し大げさかもしれませんが、会社の存続自体にも影響します。

実際、過去にそういう事態におちいった貸金業者もありました。

なので、ちょっといやらしい言い方をすると、「この人は、真面目に返済してくれて、もうけさせてくれるか?」ということを審査で判断するわけです。

そのために、単に年収だけではなく、勤務先の規模や勤務年数など複数の項目から、長期に渡って安定した返済能力が見込めるかを判断します。

社会的信用が高い?この人信頼できる?という目でも見られる

審査では「返済能力」に加え「社会的信用」も重要なポイント

さらに、返済能力があったとしても、必ず支払ってくれるかどうかは分かりません。

まじめに返済してくれる人なのか?、つまり信頼できる人なのか?という観点も業者が重視するポイントです。

もちろん、面接するわけではないので、申込み情報から推測するのですが、よく言われていますが、転職が多い人より少ない人の方が有利とか、派遣社員より正社員、独身よりも既婚、賃貸よりも持ち家の方が評価されるというようなことは実際あって、その人の社会的地位などから信頼度を測っています。

それは、金融業者の視点に限らず、世間の認識も共通していますね。こんなふうに。

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言い換えれば、申込者の素性が明らかになる項目や、確実性の高い項目が重視されると言うのが業者側に共通して言えることです。

ちなみに、申込時の入力項目で代表的なものは、下の表のようになります。

大項目 小項目
お客さま情報 氏名
生年月日
性別
家族構成(既婚か独身か、子供はいるか、独身で親と同居か、など)
自宅固定電話番号
携帯電話番号
メールアドレス
自宅情報 自宅住所
お住まいの種類(持ち家か賃貸か、本人名義か家族名義か、住宅ローンの借入れがあるかなど)
帰省先(単身赴任・未婚独身の場合)
勤務先情報 勤務先名
勤務先住所
所属部署
電話番号
社員数
雇用形態(正社員か契約社員か派遣社員か、パート・アルバイト、公務員、個人事業主など)
最終学歴
入社年月
年収
業種
職種(事務員、販売員、工場・現場作業員、管理職、医師、教師、自衛官、会社役員など)
健康保険証の種類

いちばん重視されるのが職業

返済能力を判断するのに最も適した要素が「職業」です

上で説明したことを踏まえて、いちばん重視される属性が何かというと、それは職業と言えるでしょう。

なぜ職業なのかというと、返済能力を判断するのに最も適した要素だからです。

本来、返済能力は複数の項目から総合的に判断されるものですが、その8割程度は職業から推測できるからです。

では、その職業は、キャッシング審査においてどんな見方をされるのか?

返済能力はいろいろな属性から総合的に判断するので、職業だけで断定することはもちろんできません。

ただ、貸金業者が職業に対してどんな評価のものさしを持っているのかをざっくりとしたイメージとしてランキングで表すと、下の表のようになります。

高評価 公務員・大企業社員
中評価 中小企業社員
低評価 フリーター・自営業・外資系社員
問題外 無職・専業主婦

評価レベルに応じてイメージしやすい代表的な職業を入れています。

評価のレベル、「高→中→低」はどんな順番で並んでいるのか?年収の高い順、と思ったとしたらそれは「はずれ」です。

職業はどんなことを聞かれる?

キャッシングの申込みをする際に、自分の職業が審査上どう評価されるのか?と気にする人もいますが、まずは申込み時に勤務先について何を聞かれるのかを見てみましょう。

下の画像を見てくだい。

プロミスの勤務先入力項目

これは、大手消費者金融プロミスのネット申込み画面です。

職業が気になるという人は、おそらく業種とか職種を心配するのではなくて、雇用形態を気にするケースが多いんだろうと思います。つまり、派遣社員とか日雇い労働とかいったことですね。

申込み画面では、雇用形態という項目から該当するものを選ぶようになっています。

プロミスの雇用形態入力画面

ハッキリ言って、この雇用形態で借入れ可否の方向性が決まるわけではありません。

というのも、選択肢の中で最も収入が低くて、長期雇用の保証がない仕事の代表とも言えるのがアルバイト・パートです。

そのアルバイト・パートに対して、「※アルバイト・パートとしてお勤めの方もお申込みいただくことができます。」とわざわざ明記しています。

プロミスの雇用形態入力画面

つまり、アルバイト・パート、派遣社員、日雇い労働といった雇用形態が審査結果を決定づける要素ではないということが言えます。

大事なのは収入の高さではなく”安定性”

重要なのは「収入の高さ」ではなく「安定した収入が見込める」ことです

もちろん、年収が低いより高い方が評価されるのは間違いではないのですが、重要なのは「安定した」収入であることです。

↑詳細は「キャッシング断られた!どんな人が審査に落ちる?」のページで解説しています。

消費者金融の収入源はお金を貸すことで得られる利息です。それが全てです。

なので、その収入を生み出す顧客にはより高額で、より長期間の借入れをしてほしいわけで、そのためには長期に渡って安定収入の見込めるお客がベストになります。

今いくらお金を持っていようが、今、高額所得者であろうがそれは重要ではなく、ずっとこれからも「安定」した収入が見込めるということが重要ポイントです。

今、めちゃくちゃ人気で稼ぎまくっている芸能人が銀行に借入を申し込んでも「えっ?たったそれだけ!?」と思う低い金額しか融資されないということはザラにあります。

いくら今儲けていたとしても、長期間稼ぎ続ける保証がないので、銀行としても高額融資ができないということです。

それと同じで一般人も職業だけで判断されることはありません。職業だけでは安定性を判断できないので、その判断材料を集めるために業種や職種などの入力項目にこと細かい選択肢が用意されているというわけです。

その観点で、もう一度、表を見ると何となくわかってくると思います。

いちばん評価が高いグループに公務員が入っていますが、その理由は、基本的に定年までリストラされたりしないし、離職率も低いからです。

公務員は決して高給取りとは言えないのに評価が高いのは、年収の高さより安定性を評価されているからです。

公務員の信用の高さは、だれもが認めることですよね。

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ぜにぞう2

実は、公務員は何を隠そう、有名芸能人、スポーツ選手、政治家よりも高く評価されます。

公務員がタレントや政治家よりも審査の評価が高い理由」のページで詳しく書いていますので、興味があったらそちらも読んでみてください。

大企業の社員も、高収入というよりは、離職率が低いことが高評価につながっています。

昔と違って、今の日本は少し事情が変わってきているとはいっても、終身雇用制度によって、雇用が長期的に安定しているのは強みです。

逆に評価が低いのは、離職率の高い職業です

フリーターは収入が低いから低評価、と思われがちですが、そのことよりも、離職率が高いからです。

上の表には書いていませんが、水商売やパチンコ屋店員などのように仕事内容がハードで、離職率が高いものがこのグループになります。

自営業や外資系はなんで低評価なのか?

浮き沈みが激しい自営業者や外資系は審査で低評価です

ガッツリ稼いでいるし、外資系なんかステイタスもあって悪いところなんかないじゃん?と感じる人もいるかもしれません。

確かに、個人自営業で1人で億単位の年収の人もいるし、日本企業よりは外資系のほうが給与水準は高いです。

でも、自営業って浮き沈みが激しい職業です。
1億円稼いでも次の年には、全く稼げないかもしれません。

外資系は給料が良い反面、いつクビになるかわからない職業でもあり、実際には離職率は高いということが言えるんです。

浮き沈みということで言えば、芸能人も同じことが言える

高額なギャラを稼ぐ芸能人でも安定性がないと融資のハードルは高いです

いくら人気が高くて、目が飛び出るような高額なギャラを稼いでいる人でも、いざ銀行に融資を申し込むと、えっ?それだけ?というくらい情けない額しか借りられないというのが実態です。

それは、安定性がないと判断されるからです。何年、何十年と芸能界で生き残っていける人はごく一部だからです。

こういう人を除いてですが。↓

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貸金業者であろうと銀行であろうと、お金を貸す側としては、「いつでも、どんな時でも返済をきちんとしてくれる」ことが最も重要で、そのものさしで職業をみています。

そうじゃなきゃ、申込時にこんなに細かい職種を聞いてこないはずです。

キャッシング申込時の職種項目
キャッシング申込時の職種項目(例)

唯一、借入れできない職業がある

反社会的勢力に関わる人物だとわかれば融資はしてもらえない

借り入れできない職業というものがあるわけではなくて、借入れできない年収や仕事の不安定性があると説明しました。ただし唯一絶対にお金を借りられない職業があります。

それは、反社会的勢力と呼ばれる人たちです。

その人たちがいくら超がいくつも付くくらい高い返済能力の持ち主であったとしても、もし反社会的勢力に関わる人物だとわかれば融資はしてもらえません。

もちろん申込資格にそんなことは書いてありませんが、申込時に同意する会員規約の中で次のような表現でしっかり記載されています。

(反社会的勢力の排除)
会員は、現在、暴力団、暴力団員、暴力団員でなくなった時から5年を経過しない者、暴力団準構成員、暴力団関係企業、総会屋等、社会運動等標ぼうゴロまたは特殊知能暴力集団等、その他これらに準じる者(以下併せて「暴力団員等」という。)に該当しないこと、および次の各号のいずれにも該当しないことを表明し、かつ将来にわたっても該当しないことを確約します。
(1)暴力団員等が経営を支配していると認められる関係を有すること
(2)暴力団員等が経営に実質的に関与していると認められる関係を有すること
(3)自己、自社もしくは第三者の不正の利益を図る目的または第三者に損害を加える目的をもってするなど、不当に暴力団員等を利用していると認められる関係を有すること
(4)暴力団員等に対して資金等を提供し、または便宜を供与するなどの関与をしていると認められる関係を有すること
(5)役員または経営に実質的に関与している者が暴力団員等と社会的に非難されるべき関係を有すること

専業主婦(主夫)は絶対借りられない?

収入がない=無職と同じなので専業主婦(主夫)はお金を借りられない

返済能力、という観点からすると、専業主婦(主夫)は無職と同じです。

給料換算したら、自分より高い給料もらえるんじゃない?と思うくらい、ぜにぞうは専業主婦の仕事は大変だと思っているのですが、収入がない=無職と同じことになり、返済能力なしと判断されてしまいます。

なので、パートとか家賃収入とか投資の利益とか何でもいいんですが、そういうものが一切なく、本当に収入がゼロであれば、残念ながらお金を借りることは難しいです。

でも、、、救済がないわけでもありません

配偶者の信用を裏付けにお金を借りられる方法がある

キャッシング業者からの借入れは難しいですが、銀行カードローンであれば、まだ道は残っています。

配偶者貸付といって、収入のある配偶者の同意を得られるのであれば、お金を借りられる可能性はあります。

配偶者貸付を扱っているキャッシング業者は少ないのですが、銀行ローンでは対応しているところがあるので、そういったところは利用できます。

※配偶者貸付については「配偶者貸付とは?元貸金業者がわかりやすく解説」のページで詳しく解説しています。

【参考サイト】

日本貸金業協会「総量規制にかかわらず、お借入れできる貸付けの契約」のQ4
https://www.j-fsa.or.jp/association/money_lending/law/total_regulation.php

「金融庁 貸金業法Q&A」のQ2-9
https://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/qa.html

職業以外で重視される属性は?

キャシング審査で評価ウェイトが高い属性項目

職業がいちばん重要視されると言いましたが、もちろん、他にも評価ウエイトが高い属性項目があります。

業者によって審査基準が違うので断定的なことは言えませんが、基本的にどこの業者でも、昔も今も重視される傾向のある属性について以下にまとめましたので参考にしてください。

住まい 賃貸より持ち家が有利なのは事実ですが、その要素と同じくらい重視されるのが居住年数です。転勤が多いという場合もあるので一概には言えませんが、住まいを転々と変える人より、一か所にずっと住み続けている人の方が、業者から見ると安心感があります。転々と住まいを移す人は、ふらっといなくなり、いつの間にか音信不通に、、なんてことも考えられます。
職業 離職率の判断要素として職種が重視されると説明しましたが、もうひとつの重視される項目が勤続年数です。今の時代、転職は珍しいことではなくなりましたが、そうはいっても勤務年数があまりにも短いというのはマイナスです。年齢との兼ね合いもあるので、安全圏の年数をいうことは難しいですが、1年未満だとネックとなる可能性もあります。 貸金業者からは、一発屋で終わる有名芸能人より、コツコツ働くあなたの方がきっとモテます!
結婚 既婚者の方が独身者よりも社会的信用が高い、ということは一般的には言えますが、ちょっと違った見方もあります。どういうことかというと、結婚するとその後のライフスタイルの中でいろいろとお金が必要になってきます。出産、教育、住宅などに費やすお金が独身者より多く、自由に使えるお金が少なくなるという見方ができます。このへんは、業者のさじ加減になるので断定的なことは言えませんが、少なくとも独身者より既婚者の方が審査上有利とは言い切れません。
年齢 年齢も結婚と同じようなことが言えます。一般的には、若い年齢層は、お金の管理がうまくなくて無茶な借り方をし、年齢が高い顧客層は比較的、自己管理もでき信頼されそうなイメージがありますが、年齢があがるほど不利になることもあります。なぜなら、若い人に蓄えがないのは当然ですが、ある程度の年齢ともなればそれなりの貯蓄があるのが普通で、住宅購入資金や自動車購入資金といった目的型で高額なものなら別ですが、数十万円レベルのキャッシング資金がないということは、多少の難アリと見える一面があります。