ATMで端数を小銭で返済できない理由を解説

消費者金融のATMでの出金、入金は紙幣ベースとなっていて小銭の取扱いはしていません。

消費者金融のキャッシングを普通に使っている分には、千円未満の端数はお目にかからないので硬貨が使えないことなど気にもしないと思いますが、実はそこには深~いワケがあります。

完済や解約をしない限りあまり関係のない話ですが、消費者金融の商売がうまさがわかる事例として、ちょっと書いてみたいと思います。

↓このページの解説動画(4:53)↓

ATMで硬貨が使えない理由は2つ

ATMでカードローン返済する際に硬貨が使えないのには深いワケがある

消費者金融のATMで硬貨が使えない理由は2つあって、1つはズバリ、管理が大変だから、です。

コインを使えるようにするためのシステム開発に巨額な投資が必要なうえ、ATMのハード面の入れ換えも行う必要があります。

さらにおそらくコレが一番やっかいなことなのですが、硬貨の回収、補充などのメンテナンスがめちゃくちゃ大変だからです。

でも、これらは表面的な理由であって、実はもっと商売の根っこの部分に関係する深~いワケがあります。

それはどんなビジネスにも共通することなのですが、消費者金融の商売がうまさがよくわかるので次に詳しく見て行きましょう。

2つ目の理由は消費者金融がイチバン恐れていること

金融業者にとって痛手になるのは顧客を失うこと。完済によって顧客=収入源を失うことになる

消費者金融が、お客に一番してほしくないことって何だと思いますか?

単純に考えると「貸し倒れ」ですかね?貸したお金を回収できないことは業者の立場からはなんとしても回避したいことです。

でも実はもうひとつ商売上の理由があるとぜにぞうは思っています。

それは、完済されることです!




「えっ?事故なく完済してもらったら業者は嬉しいんじゃないの?」と思うかもしれません。

もちろん、そうなんですが、完済するってことは業者にとっては収入源を失うことを意味します。

カードローンの場合、ほとんどの人が完済まで行かずに追加借入れを繰り返すので、完済するってことは、顧客を失うことに等しいんです。

ビジネスにおける顧客には、新規顧客と既存顧客がありますが、既存顧客をひとり失うのは、新規顧客何十人分の価値にも相当するとも言われているように、消費者金融にとっては大きな痛手になります。

消費者金融にとっては、顧客がきれいさっぱり完済して去っていってしまうより、できえば留まってほしいと考えるのが自然です。

だからと言って、業者側がATMで硬貨を取り扱わないようにして、意図的に完済しにくい仕組みにしている、なんて乱暴なことは言いませんが、ATMで硬貨が使えないことで結果的に完済しにくいことは否めません。

ATMで硬貨が使えないことは、顧客を離さないことに一役買っている

ATMで硬貨を使えないことは顧客を離さないことに一役買っている

借入れや返済のときは、千円または万円単位で取引できれば問題無いですが、完済となると最終回の返済は必ず千円未満の端数が発生します。

もし、ATMから硬貨でおつりが出る状況だと、コンビニATMとかで簡単に完済ができてしまいます。

でも、おつりが出ないとしたらどうでしょう?

例えば、この金額を返済すれば完済するという金額が250円だとして、おつりが出ないのを承知で1000円を入金するというのは、人の心理からしてしにくいですよね。多分しません。

完済しようとすれば、まずは消費者金融に電話をしないといけないし、返済金である250円よりも高い振込手数料をわざわざ負担して業者の口座へ振込をしないといけません。正直かなり面倒ですよね。

ATMで硬貨が使えないのは、消費者金融が上記のことを最初から狙ってやったわけではなくて、たまたまATMの運用上の理由から生まれた副産物です。

でも、同じ金融業界に位置する銀行ATMが硬貨が扱えることを考えると、いまだに消費者金融のATMで硬貨の取扱いを開放していないということは、顧客とのつながりを断たないための戦術ともいえますね。

かっこ良く言ったら、マーケティングの一環とも言えますね。

借入残高の端数の返済を放置したらどうなる?

無利息残高として契約関係は維持されるが、実質的には完済したことに等しい扱いとなる
ATMで返済後、利用残高が1,000円未満になった場合は無利息残高になります。




無利息残高というのは、利息や手数料をつけす、支払期限も設定しない残高として取り扱いする金額のことで、次回借入れがあった時に精算されるものです。

つまり、実質的には完済したという扱いにして、ただ契約上は関係が維持されます。

無利息残高を放置したらどうなる?

消費者金融としては、顧客とのつながりを断たないことが目的なのでわざわざ250円を回収するために顧客にアプローチすることはまずありません。

なので、無利息残高を塩漬けして放置していても大丈夫。不利益になることはないし問題にはなりません。

ある意味、一生返さなくていい金額ですが、気持ち悪いから解約したいという場合は、業者へ250円を支払うことで完全に手を切ることができます。

アイフルは一括返済時の千円未満残高の取扱いを変更

無利息残高の支払いを請求されることはなく利息も発生しない

アイフルは、ATMで1000円未満の端数を返済できないことに対して、平成30年4月に改善を行いました。

小銭で返済できないことには変わりないのですが、公式サイト上で無利息残高になることを明言しました。

(抜粋)

ATMからのお支払いは千円単位のお取引ですので千円未満の端数が残ります。

平成30年4月15日より千円未満の端数については「無利息残高」になるよう変更いたします。

お客様が再度当社をご利用しない限り、当社からは請求せず利息も発生しません。

従いましてお客様が再度ご利用されない場合、お支払頂く必要はありません。

(引用元)アイフル公式サイト https://www.aiful.co.jp/page.jsp?id=30353

再度アイフルを利用しない限り、支払う必要もないし、利息も発生しないことを公表したので、放置しておいても問題ないです。

どうしても無利息残高の清算を希望する場合は、店頭窓口や銀行振込で支払うことができます。

硬貨を使える業者も一部あり

硬貨を使えるATMが一部あるものの、金融機関が効率化を加速している状況なので、縮小していくことが推測される

消費者金融は基本的にATMで硬貨の取扱いはできません。

三菱UFJ銀行カードローンのバンクイックのように、三菱UFJ銀行ATM(平日8:45~18:00 ※)で返済時に硬貨を使えるところもあります。(※一部の無人ATMでは、硬貨を取り扱っていない場合があります)

このように硬貨を使える業者も一部存在しますが、金融機関が効率化を加速している状況を踏まえると縮小していくのではないかと思います。