貸金業者・貸金業番号をわかりやすく解説

個人や事業者にお金を貸す業者は世の中にたくさんあります。銀行や信用金庫、消費者金融、信販会社、クレジットカード会社、はたまたリース会社などさまざまな業態の会社が金銭の貸付けを行っています。

そんな中で貸金業者と聞くと消費者金融をイメージする人が多いですが、もっと広い範囲の業態が該当します。

実は貸金業者に該当するかどうかで、実際にお金を借りる際の条件や手続きに違いがあるので、貸金業者の実態を知っておくことも意味があります。

そこでこのページでは、貸金業務取扱主任者の資格を持つぜにぞうが貸金業者についてその概要を解説します。

↓このページの解説動画(7:07)↓

貸金業者とは?

貸金業者とは貸金業法のもとで金銭の貸付けを行う業者

貸金業者は、お金を貸す商売を営んでいて、貸金業法に基づいて都道府県または財務局に登録している業者のこと。つまり貸金業法のもとで金銭の貸付けを行う業者を指します。

それぞれ固有の貸金業登録番号を保有して貸し付け事業を行っている者の総称ですので、会社規模にかかわりません。

具体的には、消費者金融、クレジットカード会社信販会社、事業者金融などが貸金業者に該当します。貸金業者という言葉にネガティブなイメージを持つ人もいますが、法律で認可されたまっとうな事業者です。貸金業登録を行っていないいわゆる闇金融は貸金業者ではありません。

ちなみに、クレジットカード会社は、扱っているサービスのうちキャッシングとローンに関して貸金業者として扱われます。

ショッピング取引については、貸金業法は適用されず、ショッピングのリボ払い、分割払い、ボーナス払いに関しては、割賦販売法が適用されます。

なお、お金を貸すということで言えば、銀行や、信用金庫、信用組合などの金融機関も金銭の貸付けを行っていますが、これらは貸金業法にしばられない業態なので貸金業者にはあたりません。

貸金業法については以下ページで詳しく解説しています。

貸金業者の数は激減

ピーク時の5万社から1500社まで激減

全国に貸金業者は、令和5年12月末時点で1,527事業者あります。多く感じるかもしれませんが、ピーク時には5万社近くありました。

下のグラフは、昭和59年から令和3年8月までの貸金業者数の変動を表しています。

貸金業者数の長期的な推移
情報元:金融庁「貸金業関係資料集-貸金業者数の推移等」

ピークが昭和61年の47,504事業者でしたので、そこから約3%まで減少した計算です。

グラフの横軸真ん中あたりの平成16年から減少スピードが増しているのは、貸金業法が改正されたことで、中小消費者金融の商売が圧迫されて廃業する業者が急増したためです。

貸金業者が保有する登録番号について

認可された貸金業者に交付される貸金業登録番号

消費者金融などの貸金業者からお金を借りる際には、法的に商売を認められた正規業者を利用すべきことは言うまでもありません。

認可された貸金業者かどうかを見分ける方法のひとつが貸金業登録番号。ただ、一般の人にはなじみがなく分かりにくいですよね。

そこで貸金業登録番号とはどんなものなのか、またその番号の検索方法についてわかりやすく解説します。

貸金業登録番号とは

貸金業登録番号の概念図

貸金業登録番号というのは、単に「登録番号」と呼ばれていて、消費者金融などが貸金業を営むに際して交付される番号です。

貸金業を営む場合は、貸金業法に基づいて、内閣総理大臣もしくは都道府県知事に認可申請し、登録する義務があります。

その時に発行される固有の番号が貸金業登録番号になりますが、無登録で貸金業を行うことは貸金業法で禁止されているため、登録番号を持っていない事業者はいわゆる闇金と呼ばれる違法業者です。

貸金業登録番号は、業者のホームページへ行くと会社名の近くなどに、「関東財務局長(3)第01234号」といった形で表されています。

この表記の意味を知っていると役に立つことがあるので、カッコの前、カッコの中、カッコの後ろに分解して簡単に説明します。

カッコの前の部分の意味

赤字の部分→「 関東財務局長 (○)第○○○号」

貸金業を営むためには必ず登録をしないといけないのですが、業者の営業エリアの範囲によって登録(管轄)される機関が違います。

業者の営業所が複数の都道府県にまたがる場合は、金融庁の出先機関である財務局長の登録を受ける必要があり、営業所が単独の都道府県の場合は都道府県知事の登録を受けることになっています。

前者については「関東財務局長(○)第○○○号」というような形で、また後者については「東京都知事(○)第○○○号」というような形で表わされます。

なので、カッコの前の部分を見れば、ザックリですが業者の規模を推測することができます。

カッコ内の数字の意味

赤字の部分→「関東財務局長 (3) 第○○○号」

登録番号の中のカッコ内の数字は、はじめて登録された時に(1)からスタートして、その後は3年毎の更新の度にカッコ内の数字が増えていきます。ですので、カッコ内の数字が大きいほど長く営業している業者になります。

(1)であれば開業から3年未満、(2)であれば3年以上6年未満というように、カッコ内の数字を見れば、業者の社歴を推測できるので、この数字が大きい業者は長く営業している実績ある会社だと判断できます。

カッコの後ろにある数字の意味

赤字の部分→「関東財務局長(○) 第01234号

登録番号のカッコの後ろにある「第○○○号」という数字は、登録順になっているのであまり意味はありません。

この番号自体は他の貸金業者とかぶる場合がありますが、登録されている同一都道府県もしくは財務局の範囲内では固有です。

ちなみに、貸金業者が廃業や登録取消処分を受けた場合、その番号は永久欠番となり再使用されません。

【参考サイト】

東京都産業労働局「貸金業者時から借入れをする前に」
https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/chushou/kashikin/soudan/riyou/kariire/

貸金業番号を不正に操作する業者もいるので要注意!

ひとつ注意点があるのですが、たとえ登録番号があったとしても、架空の登録番号を使ったり、他の業者の番号を盗用する悪質な業者もいます。ですので、番号があることだけで信用することは危険です。

テレビCMを放映しているような全国ネットのメジャーな貸金業者は心配ありませんが、街金など小規模業者の場合は、商号、所在地など他の情報とセットで確認するようにしてください。

貸金業登録番号の検索方法

貸金業登録番号は金融庁の検索ツールで調べることができます

貸金業者は発行された登録番号をいたるところで掲示することを義務づけられています。事務所入口の見やすいところや印刷物、ホームページなど顧客が目にするものには掲示が必須です。

ですので、貸金業者からお金を借りる際は、まずはこの番号があることを確認することが基本です。うっかり忘れで掲示していないことはありえませんので、見当たらなければ近づいてはいけません。

なお、違法業者の中には架空の番号を掲示したり、欠番となって流通していない番号を使うケースがあります。もし、少しでも怪しいと感じたら、金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で検索して調べることをおすすめします。

登録貸金業者情報検索サービス|金融庁
https://clearing.fsa.go.jp/kashikin/

業者の登録番号、会社名、代表者名、電話番号などから貸金業者の情報を検索することができます。(過去の行政処分の有無なども分かります)

このサービスで検索される情報は、各財務局・都道府県で閲覧できる貸金業者登録簿の情報を編集したものなので、もしデータ更新があったらタイムラグで最新の状態になっていない場合があります。

ですので、最新の情報や不明な点があれば、登録番号欄に記載されている各財務局・都道府県に問い合わせるようにしてください。

財務局・都道府県の貸金業者に関する問合せ先

貸金業者に関する問い合わせ先一覧

財務局または都道府県に貸金業者に関する問い合わせをする場合の窓口(担当部、電話番号)をまとめています。

財務局や都道府県に最新情報を確認したい場合に参考にしてください。

財務局の貸金業者に関する問い合わせ先]

財務局 担当部署 電話番号
北海道財務局 金融監督第3課 011-709-2311(代)
東北財務局 金融監督第3課 022-263-1111(代)
関東財務局 金融監督第5課 048-600-1151
東海財務局 金融監督第3課 052-951-2995
北陸財務局 金融監督第2課 076-292-7854
近畿財務局 金融監督第4課 06-6949-6520
中国財務局 金融監督第3課 082-221-9221(代)
四国財務局 金融監督第2課 087-831-2131(代)
福岡財務局 金融監督第3課 092-411-7281(代)
九州財務局 金融監督第3課 096-353-6351(代)
沖縄総合財務局 金融監督課 098-866-0095

都道府県知事登録の貸金業者に関する問い合わせ先

登録先担当部署電話番号
北海道北海道環境生活部くらし安全局消費者安全課011-231-4111(内線24-527)
青森県商工労働部商工政策課017-734-9368
岩手県商工労働観光部経営支援課019-629-5542
宮城県経済商工観光部商工経営支援課022-211-2744
秋田県生活環境部県民文化政策課消費生活室018-860-1517
山形県商工観光部産業政策課023-630-2135
福島県商工労働部経営金融課024-521-7291
茨城県商工労働部産業政策課029-301-3530
栃木県産業労働観光部経営支援課金融担当028-623-3180
群馬県産業経済部商政課金融係027-226-3335
埼玉県産業労働部金融課048-830-3794
千葉県環境生活部県民生活課043-223-2795
東京都産業労働局金融部貸金業対策課貸金業検査指導係03-5320-4775
神奈川県商工労働局企画調整部金融課045-210-5690
新潟県産業労働観光部商業振興課金融係025-285-6966
山梨県商工労働部商業振興金融課055-223-1538
長野県商工労働部経営支援課026-235-7200
富山県商工労働部経営支援課076-444-3248
石川県商工労働部経営支援課076-225-1522
福井県産業労働部商業振興・金融課0776-20-0373
岐阜県商工労働部中小企業課資金融資係058-272-1111(内線3065)
静岡県経済産業部商工業局商工金融課054-221-2506
愛知県産業労働部中小企業金融課052-954-6334
三重県雇用経済部サービス産業振興課商工金融班059-224-2447
滋賀県商工観光労働部 中小企業支援課(金融支援担当)077-528-3732
京都府商工労働観光部 商業・経営支援課075-414-4868
大阪府大阪府商工労働部中小企業支援室金融課06-6210-9506
兵庫県産業労働部産業振興局地域金融室信用保証係078-362-9162
奈良県産業・雇用振興部 地域産業課 金融支援係0742-27-8807
和歌山県商工観光労働部商工労働政策局商工観光労働総務課073-441-2720
鳥取県商工労働部経済通商総室経営支援チーム金融担当0857-26-7249
島根県商工労働部中小企業課金融グループ0852-22-5882
岡山県産業労働部経営支援課金融支援班086-226-7369
広島県商工労働局経営革新課金融企画グループ082-513-3321
山口県商工労働部経営金融課金融支援班083-933-3188
徳島県商工労働部地域経済課088-621-2318
香川県危機管理総局くらし安全安心課087-832-3345
愛媛県経済労働部産業支援局経営支援課089-912-2481
高知県商工労働部経営支援課088-823-9905
福岡県商工部中小企業経営金融課貸金業係092-643-3423
佐賀県農林水産商工本部商工課金融担当0952-25-7093
長崎県県民生活部食品安全・消費生活課095-895-2318
熊本県環境生活部県民生活局消費生活課096-333-2309
大分県商工労働部経営金融支援室金融融資班097-506-3226
宮崎県商工観光労働部商工政策課金融対策室0985-26-7097
鹿児島県県民生活局消費者行政推進室事業者指導係099-286-2533
沖縄県子ども生活福祉部県民生活課消費生活班098-866-2187