キャッシングやローンの利息計算というのは、分かりにくいし面倒くさいものなのであまり考えたくないものです。
でも、一度知っておくと後々役に立つこともあるので、ザックリしたイメージがわく程度に知っておくといいと思います。
実質年率と金利の違い
キャッシングでいちばん気になるのが金利という人が多いと思いますが、業者のサイトでは必ずと言っていいほど「実質年率◯%」といった記載がされています。
「実質年率って何?普通の金利とか利息と何がどう違うの?」ということもあると思うので、本題へ行く前にまずはその点をおさらいします。
まずは初歩的な部分をおさらい
お金を借りた場合、借りたお金を返すだけでなく、その手数料として利息を支払わなければいけませんが、この元金に対して支払う利息の割合のことを金利といいます。
この金利を表示する場合に、計算期間の違いにより、日歩、月利、年利の三つの表示方法があるのですが、キャッシングでは通常、年利で記載されます。
年利というのは、例えば10万円借りた場合、途中で返済しないと仮定して1年間まるまる借りた時の金利が「年利」だということです。
ここまでの説明は大丈夫ですね?
実質という言葉の意味は?
実質年率を分かりにくくしているのが「実質」という言葉だと思います。
「実際にはそうじゃないけど、そうだとみなして考えると、、」といったケースに実質という言葉を使うかと思います。
キャッシングでお金を借りるときは、利息以外にも様々な負担が発生することがあります。例えば、契約締結費用、ATM利用手数料、保証会社に支払う保証料などなど、、、
要するに実質年率というのは、元金に対する支払利息だけでなく、元金以外に負担する全ての費用を利息にみなして、その合計額を年率で換算したものです。
なので「実質年率◯%」という中には、借入れに伴う費用がコミコミになっている(=それ以外には取られない)と思っておけばいいです。
実質年率に含まれない例外がある
ここまで読んだ人でキャッシング経験のある人がもしいたら、「ATM手数料って、借入れと返済の時に別途取られているじゃん?」と思う人がいるかもしれません。
だとすると、利息以外に別の名目で費用を取られていることになりますが、実は、このATM手数料に関しては、一定額までは利息に含めないで計算してよろしい、という法律の規定があります。
1万円までの取引で110円(税込)、1万円超の取引で220円(税込)までであれば、利息に含めず、別途、利用者に請求していいということになっています。
同じようなものとしては、ローンカード再発行手数料、公租公課(税金)、貸金業法の規定に基づき交付された書面の再発行等の手数料も利息とは別の名目で取ってよいという規定になっています。
ちなみに消費者金融の場合、契約締結費用や保証料というものもないので、実質年率に含まれるのは元金に対する利息だけと考えても支障ありません。
ただ銀行カードローンの場合は、銀行のバックにいる保証業者に支払う保証料があるので、その保証料を含めた費用が実質年率だと思ってください。
利息はこのように計算されます
さて本題の利息の計算方法について解説します。
利息は、借入残高に対して利用日数分だけを計算するのですが、計算方法を式に表わすと下のようになります。
利息=借入残高×借入利率×利用日数÷365日(うるう年は366日)
*利用日数は借入日から返済日までの借入当日を含まない日数です
例えば、年利18%で10万円キャッシングしたとすると、1年間返済することなく借りっぱなしだったとすると、その時の利息は、
10万円×0.18=18,000円になります。ただ、1年間一度も返済しないということはありえないことなのですが、、、。
では、現実的なパターンをいくつか試算してみようと思いますが、今度は10万円を1週間借りた時の利息は、
10万円×0.18×7日÷365日=345円となるので、1週間後に全額返済する場合は、元金10万円と利息345円の合計100,345円を返済することになります。
同じように10万円を1か月間(30日間)借りた時の利息は、
10万円×0.18×30日÷365日=1,479円となります。
なので、1ヶ月後に全額返済する場合は、元金10万円+利息1,479円の合計101,479円を返済することになります。
ここまでの説明は大丈夫ですよね?ちょっと次から難しくなります。
実際の計算はちょっと複雑
ここまでは利息計算を分かりやすくするために、一定期間後に一括返済する前提の計算でしたが、実際にはリボルビング払いといって、毎月一定金額を返済していくパターンになります。
ここでも10万円のキャッシングをした場合を例にして、毎月、利息がどのように変化していくのかを見てみましょう。ちょっとややこしいかもしれませんが、大事なところなのでもう少し頑張ってください。
上のところで、10万円を1か月間(30日間)借りた時の利息は、1,479円(10万円×0.18×30日÷365日)だと説明しましたが、これが1回目の返済で支払う利息の金額です。
では2回目以降どうなるかですが、それを知るためには冒頭の計算式にあるように借入残高がわからないと計算できません。つまり、1回目の返済が終わった直後の残高がわからないと2回目の利息を計算できません。
そもそもキャッシングの毎月の返済金額は、その時の借入残高に応じて決まっていて、残高にスライドして変わっていくのが一般的です。
例えば、業者によって違いがありますが、借入残高5万円の場合は毎月3,000円、残高10万円の場合は5,000円、20万円の場合は9,000円くらいが標準的な金額です。
借入残高が10万円の場合の返済額は5,000円ですが、この5,000円の中に利息1,479円が含まれているので、残りの3,521円が元金の返済に充てられます。
ということは、1回目の返済が終わった直後の残高は、
10万円-3,521円=96,479円となります。
なので、2ヶ月後(2回目)の返済時の利息は、
96,479円×0.18×30日÷365日=1,427円となり、返済後の残高は、
96,479円-(5,000円-1,427円)=92,906円となります。
3回目以降はこの計算が続いて、以下の表のように返済が進んでいって24回目(2年後)で完済となります。
(単位:円)返済回数 | 返済金額 | うち元金 | うち利息 | 借入残高 |
---|---|---|---|---|
1 | 5,000 | 3,521 | 1,479 | 96,479 |
2 | 5,000 | 3,573 | 1,427 | 92,906 |
3 | 5,000 | 3,626 | 1,374 | 89,280 |
4 | 5,000 | 3,680 | 1,320 | 85,600 |
5 | 5,000 | 3,734 | 1,266 | 81,866 |
6 | 5,000 | 3,789 | 1,211 | 78,077 |
7 | 5,000 | 3,845 | 1,155 | 74,232 |
8 | 5,000 | 3,902 | 1,098 | 70,330 |
9 | 5,000 | 3,960 | 1,040 | 66,370 |
10 | 5,000 | 4,019 | 981 | 62,351 |
11 | 5,000 | 4,078 | 922 | 58,273 |
12 | 5,000 | 4,138 | 862 | 54,135 |
13 | 5,000 | 4,200 | 800 | 49,935 |
14 | 5,000 | 4,262 | 738 | 45,673 |
15 | 5,000 | 4,325 | 675 | 41,348 |
16 | 5,000 | 4,389 | 611 | 36,959 |
17 | 5,000 | 4,454 | 546 | 32,505 |
18 | 5,000 | 4,520 | 480 | 27,985 |
19 | 5,000 | 4,586 | 414 | 23,399 |
20 | 5,000 | 4,654 | 346 | 18,745 |
21 | 5,000 | 4,723 | 277 | 14,022 |
22 | 5,000 | 4,793 | 207 | 9,229 |
23 | 5,000 | 4,864 | 136 | 4,365 |
24 | 4,429 | 4,365 | 64 | 0 |
累計 | 119,429 | 100,000 | 19,429 | 0 |
細かい利息の計算方法を覚える必要はまったくありません。「こんな感じで利息を取られるのかあー」というイメージをつかんでもらえたらそれでOKです。
「俺は24回(2年間)もかけて、ちまちま返済なんかしないよ!すぐ返済するつもりだし、、」という人は、無利息期間がある業者を利用するのがだんぜんおトクです。
無利息期間がある業者は「30日間無利息キャッシング業者を徹底解剖」のページで紹介しています。