おまとめローンを利用したいけど、中小消費者金融ってどうなんだろうか?審査って甘いの?気になることがたくさんありますよね。
このページはそんな悩みを解決できます。なぜなら貸金業務取扱主任者の国家資格をもつ筆者が、これまで培った知見をもとに徹底解説するから。
少し長い記事ですが、読み終わったときには疑問や不安がスッキリ、差しこむ光にむかって具体的な行動を起こせると思います。
↓このページの解説動画(5:32)↓
おすすめの中小消費者金融おまとめローン
最終的に知りたくなる、中小消費者金融おまとめローンのおすすめを冒頭に掲載します。
おまとめローンの深掘り解説はその後続きます。
ではさっそくいってみましよう。
順位 | 業者 | 実質年率 | 最高限度額 | 特徴・強みをひと言で |
---|---|---|---|---|
1位 | 中央リテール【サポートローン500】 | 10.95%~13.0% | 500万円 | おまとめローン専門だけあって他社でお断りされた人にも柔軟審査と定評、銀行のキャッシング・ショッピングローンもおまとめOK、金利13.0%保証は魅力、融資まで最短2日。担当者は全員が国家資格取得者 |
2位 | フクホー | 7.30%~18.00% | 200万円 | 創業51年の老舗消費者金融。他社借入条件等の確認ができる書類の提出が必要 |
3位 | アロー | 15.00%~19.94% | 200万円 | 過去に自己破産や債務整理をした人でも相談可能(但し当サイトからの審査通過率は非常に低いです) |
ちなみに、上の表で登場する業者はすべて金融庁に貸金業登録され、日本貸金業協会に加盟のまっとうな消費者金融。もちろん闇金融はありません。
金融庁「登録貸金業者情報検索サービス」
https://clearing.fsa.go.jp/kashikin/
日本貸金業協会「協会員名簿」
https://www.j-fsa.or.jp/association/member_info/
おまとめローンは金額がはるので、金利と限度額がポイント。
ただ、金利や利用限度額だけの情報では業者を決めにくいと思うので、表の「強みをひと言で」のコメントをながめてピンと来た業者があったら、その業者のサイトを見て吟味する、といった方法で業者選択すると良いと思います。
中央リテール【サポートローン500】が1位の理由
- まずもって金利13.0%が保証されていること。これを超える金利は適用されないので、おまとめの絶対条件である低金利をクリア。18%以上の上限金利が設定されている他社は怖くて実質利用できません。
- おまとめローン専門業者だけあって、他社でお断りされた人にも柔軟審査と定評。
- 知名度は高くありませんが、融資担当者は全員「貸金業務取扱主任者」の国家資格取得者。知識・経験が豊富なので、マニュアル的ではなく独自目線での審査に期待できる。
おまとめローンを利用する前に知っておくべきこと
中小消費者金融でおまとめローンを利用する際の重要な項目を説明する前に、まずは最低限知っておきたいことを確認しておきましょう。
- おまとめローンは総量規制の対象外
- 借金をすべてまとめられないこともある
- Web完結で契約できない場合がある
- 即日融資は難しい
- 借り換えローンとの違い
おまとめローンは総量規制の対象外
ローンには年収の3分の1を超えて借りられない「総量規制」という貸金業法という法律のしばりがあります。
総量規制については以下のページで詳しく解説しています↓
総量規制は、キャッシングを利用する時に知っておくべき基礎知識の中でも一番重要。貸金業法の総量規制について、より深く、よりわかりやすく解説しています。
一般的なキャッシングやローンと同じように、おまとめローンも年収の3分の1までしか借りれない、と思っている人も中にはいますがそんなことはありません。
たとえば、年収が400万円で、
- クレジットカードの借入れが150万円
- 消費者金融からの借入れが100万円
- その他の借り入れが50万円
の場合、総借入額は300万円。
すでに年収の3分の1を超えてしまっているので新たな借入れはできない、そう思ってあきらめてしまう方もいます。
でも、おまとめローンは法律で特別な扱いがされていて、総量規制が及ばない例外貸付けに位置付けられていています。
なぜ同じローンなのに例外なのか不思議に感じますが、貸金業法という法律の趣旨を考えるとわかりやすいです。
そもそも多重債務者を出さないようにすることが法律の大きな目的なので、それに該当しないような融資は例外貸付とされています。
おまとめローンは複数の業者からの借り入れを1社にまとめることなので、それをすることで、金利や毎月の返済金額が低くなってかなり負担が軽くなります。
つまり借りる側からするとメリットはあってもデメリットはいっさいないわけで、そういう「顧客に一方的に有利となる借り換え(おまとめローン)」は、年収の3分の1を超えても審査が可能になっています。それは大手・中小に関係なく同じ。
注意点として、おまとめローンという名称を使っていても、総量規制の例外貸付けに該当しないものがあります。
「貸金業法に基づくおまとめローン(もしくは借換ローン)」と表示があることを確認してください。
日本貸金業協会「総量規制にかかわらず、お借入れできる貸付けの契約」のQ2
https://www.j-fsa.or.jp/association/money_lending/law/total_regulation.php
借金をすべてまとめられないことがある
返済義務のあるものは借金にひとくくりに考えてしまいますが、実はおまとめローンに一本化できない債務の種類があります。
例えば、クレジットカードのリボ払い残高や銀行のカードローンなどがあります。このあたりは業者によって扱いが違います。
おまとめローンは、複数の借入先からの借金を一本化するためのローンとはいえ、すべての借金がまとめられるわけではないので、 利用する前にどの借金がまとめられるかを確認することが大切です。
Web完結で契約できない場合がある
カードローンなどお金を借りる際には、Web完結で契約できるのが当たり前になっていますが、おまとめローンがWeb完結で契約可能とは限りません。
他社借入れをまとめるというローンの性質上、他社借入条件等の確認ができる書類を求める業者もあり、借入れ手続きが通常と異なることがあります。
また、中小消費者金融はそもそもWeb完結に対応していない業者もあるので、申し込み時に確認が必要です。
即日融資は難しい
おまとめローンの即日融資は難しいのが実態です。
前述したWeb完結で契約できない理由と同様、一般的なローン審査の借入れ手続きと異なるからです。
どうしても手続きに時間がかかるため、余裕をもって申し込みを行い、融資の手続きを進めることが大切です。
ちなみに、契約後は業者側がお客さま名で他社借入先へ振込みする場合があるので、融資金の扱いについては業者に確認してください。
借り換えローンとの違い
おまとめローンに類似するものに借り換えローンがあります。
借り換えとは、すでにあるローン契約よりも融資利率(金利)の低いカードローンを新規に契約し、古い契約のローン残高を完済することを指します。借入れ業者が変わることもあれば同一の場合もあります。
一方のおまとめローンは、複数の借入先に散らばっている借金を特定の1社のローンに一本化することが目的。
というのが一般的な説明ですが、金利に目を向けるか残高の一本化に目を向けるかの違いで、返済負担を軽減することでは同じです。
使う呼称が統一されているわけではなく、業者によって使われる呼称がまちまちですのであまり違いを意識する必要はありません。
大事なのは、貸金業に基づく総量規制の例外ローンに該当するかどうかという一点です。
おまとめローンの審査は甘い?
おまとめローンはある意味追い込まれた状態で利用することが多いので、いちばんの関心ごとが審査ですね。
SNSを見ていても、審査厳しいと嘆く声が複数あります。
甘い審査を期待するのが自然な心理ですが、決して甘いわけではないので、以下項目について掘り下げて説明します。
- 誰でも通るおまとめローンはない
- 中小消費者金融であっても審査は甘くない
- おまとめローン専門業者であっても甘くない
- ブラックOKのおまとめローンはない
- 他社延滞中のおまとめはNG
誰でも通るおまとめローンはない
「どこでもいいから、おまとめローンを組みたい」と考えても、残念ながら誰でも審査に通るおまとめローンは存在しません。
これは極端な話、闇金融であっても「絶対」ありません。
業者もボランティアではないので、まさに今、債務整理中だとか、自己破産して間もない人にお金を貸すような無茶をしないことは、普通に考えればわかることだと思います。
おまとめローンの審査に通るためには、一定の基準をクリアすることが必要で、借入額や収入(返済能力)、勤続年数、信用情報などが重要な要素となるのは、一般的なローンと同じです。
むしろ、通常のローン審査よりも厳しいと言っても良いかもしれません。その理由は2つあります。
理由1)高額になるほど業者リスクが高まる
ビジネス全般の話として、他社の顧客を自社に囲み込めるのは商売としておいしいですよね。おまとめローンも理屈としてはそれと同じです。
ただ、融資というリスクを伴う商品のため業者にとっては旨味もあるけどリスクがある。ハイリスクハイリターンなわけです。
特におまとめローンは融資額が大きくなりがちなので、その分リスクも高まり結果として審査が厳しめになるというわけです。
理由2)信用リスク高くて低金利に業者は慎重
もうひとつ厳しめの審査になる理由は金利にあります。
通常のローンは支払能力が高い人ほど低金利が適用されます。支払能力が高ければ業者は高額な融資ができるので、結果として融資額が高くなるほど低金利というローン設計が普通。
でも、そもそもおまとめローンを利用する人は総じて支払能力が低いですよね。支払いに困っているからまとめたいわけですから。
業者としては信用リスクがあるので、むしろ通常の金利よりも高くしたいのが本音。でもおまとめローンという性質上、一般のローンよりも金利を下げないと商品として成り立ちません。
信用リスクが高まるのに金利を下げないといけない逆現象状態なので、その分審査が甘くならないのは想像つくと思います。
そんなわけで、誰でも通るおまとめローンは残念ながらありません。
中小消費者金融であっても審査は甘くない
大手は審査が厳しくても、中小消費者金融なら甘いんじゃないか?そう思いたくなるものです。
その気持ちは自然ですが、おまとめローンは業者側も貸し倒れリスクが高い商品として扱うので、中小でも総じて審査は甘くありません。
ただ、大手と比較してどうなのか?という切り口でみるとまた別の景色が見えてきます。
ビジネス全般にいえることで、中小には大手にない弱者の戦術があります。
返済リスクが低い顧客が大手にとられ、大手の審査に通らない顧客が中小消費者金融に流れてくる構図はおまとめローンも同じ。
大手が入ってこないところに一点集中して、独自の審査基準でハードルを下げて対応するのが中小のやり方です。
大手のような機械的に線引きした審査ではなく、個々の事情も考慮した審査が期待できるのがある程度融通がきく中小消費者金融のよいところです。
大手消費者金融、銀行のおまとめローンとの比較
大手消費者金融との比較は前述した通りで、そもそも中小消費者金融と違って、返済リスクの低い層がメインターゲットなので審査基準は高めです。
では銀行はどうか?実は銀行には基本的におまとめローンという商品がありません。借り換えローンはありますが、住宅ローンの借り換え目的の商品なので使えません。
仮に銀行におまとめローンという名称の商品があったとしても使えません。
なぜなら銀行は貸金業法の規制を受けない業態です。前述した「貸金業法に基づくおまとめローン」という概念がないので、年収の3分の1を超えて借りられないからです。
おまとめローン専門業者であっても甘くない
たいていの商売に言えることですが、その専門になれば扱う品数も多いし、比較的安くて、いろいろと融通がきくから使い勝手がいいってことがあります。
しかし、おまとめローンに関してはこの法則があてはまりません。
もちろん専門であるなら、例えば審査や債権管理ノウハウが蓄積されていて、比較的審査が甘いといったことがあるかもしれません。
ただ、業者が抱えるリスクは専門業者であろうが、おまとめローンを1メニューとして扱う業者であろうが同じなので甘く見ることはできません。
ブラックOKのおまとめローンはない
「ブラック」の定義にもよりますが、いわゆる与信面で問題を抱えている状態を指す前提でいうと、ブラックOKで利用できるおまとめローンは存在しません。
借入過多とか直近で債務整理をしている場合などはまさにこのブラック状態です。
仮に業者がリスクをとって融資したいと思っても、貸金業法で返済能力を超えた貸付けはできないルールになっているので、罰則覚悟で融資する業者はありません。
他社延滞中のおまとめはNG
ブラックという観点でいうと、他社の借金返済を延滞中だとおまとめローンは絶対に契約できません。
筆者のところに借金相談に来られた方がおまとめローンを申し込んだのですが、他社延滞中で門前払いになりました。
申し込みをされた後で他社延滞中を打ち明けられたのですが、返済状況などの信用情報はすべて信用情報機関に登録されています。いずれの業者もその事実を知ることができるので他社延滞中のおまとめはNG。
プライベートで貸したお金を返してくれない人に、さらにお金を貸せないですよね。それと同じです。
失敗しないおまとめローンの選び方
おまとめローンはカードローンなどの一般的なローンと違って、注意すべきことがいくつかあります。
失敗しない選び方を確認しましょう。
- おまとめできる借入の種類を確認する
- 支払い総額が今より減ることを確認する
- まとめる他社借入れは3社以内が目安
- 現在利用中の業者でおまとめを検討する
- 同時に複数の業者に申し込まない
おまとめできる借入の種類を確認する
おまとめローンを選ぶ際には、まずおまとめできる借入の種類を確認し、自分が抱える借入をすべてまとめられるかどうかを確認することが大切です。
というのも、業者や商品によってまとめられる借入種類が異なることがあります。
消費者金融のおまとめローンでは、クレジットカードのショッピング代金、銀行ローンなどは対象外になっています。
おまとめローンの対象外となる借入がある場合は、その分は別途返済しなければなりませんから、申し込む前によく確認しておく必要があります。
支払い総額が今より減ることを確認する
おまとめローンに切り替えることで、支払い総額が今より減ることを確認しましょう。
「おまとめローンは低い金利に切り換えられるから、支払い総額は当然減るんじゃないの?」
と思いますよね。でもそうならないケースがあるので注意してください。
支払い総額は「借入残高」「金利」「返済期間」の掛け算で決まります。この3つのうち「金利」と「返済期間」は、おまとめする前と後で異なりますよね。
たとえ金利は低くなったとしても借入残高との関係で、支払い総額が増えてしまうことがあります。
また、金利が低くなったことでホッとしても、おまとめした後の返済期間の方が長くなってしまったら、これも支払い総額は増えることになります。
金利が下がった、毎月の返済額が少なくなった、と喜びたくなりますが、おまとめすることで確実に支払い総額が減ることをちゃんと確認しましょう。
まとめられる他社借入れは3社以内が目安
おまとめできる他社借入れ件数を「〇社以内」と明確に条件をつけている業者もありますが、多くは公表していません。
貸金業でルールが決められているわけでもなく業者のスタンス次第ですが、おおむね3社以内を目安にするとよいです。
本来、業者の審査の判断軸は「いくら貸すか」であって、おまとめする社数ではありません。
10万円ずつ5社から借りていたとしても総額はわずか50万円ですから、社数が問題にならないことは容易にわかりますよね。
ただ、人物評価のものさしとして社数が要素になると思ってください。
社数が多いということは次から次へと業者を変え借金を重ねている、つまりルーズとか自己管理に不安がある人という見方をされる可能性があるので、おおよその目安として覚えておいてください。
現在利用中の業者でおまとめを検討する
現在利用している業者と関係性が良好な場合は、まず現在利用中の業者に相談してみることをおすすめします。
そのメリットは、以下のようなものがあります。
- 取引実績があるため、審査が有利に働く可能性がある
- 既に信頼関係が築かれているため、金利面や審査難易度が有利になる可能性がある
- 既存のローンの残高を含めた、より正確なおまとめ計画を提案してもらえることがある
八百屋に行ったときに、一見客と既存客に対する店主の対応が違うように、ローンの世界でも同じことが起こりえます。
同時に複数の業者に申し込まない
絶対にやってはいけないことが、同時に複数の業者に申し込むことです。
複数の業者に申し込むことで、各社からの借入審査が競合するため、審査に落ちる可能性が高くなります。
ちょっと専門的な話になりますが、ローンの申し込み情報は、業者から信用情報機関につたわり登録され、加盟業者は他社の申込み情報も審査の参考にします。
ということは、信用情報機関の情報を閲覧したときに、他社にもおまとめローンの申込みがされている方が丸わかりです。
通常、一度に何社も申し込むことは不自然なので、よほど切羽詰まって危険な状態と業者に判断されかねません。
恋愛に例えるなら、一度に3人の異性に告白した人に会ったらちょっと引きませんか?それと同じ感じです。
保険のために同時に複数の業者に申し込みたい気持ちはわかります。でも1社であれば通過できるはずの審査が、複数の業者に同時に申し込むことですべて不承認になる可能性があるので避けるのが無難です。
おまとめローンのメリット
このページにたどり着いた時点でおまとめローンのメリットはご存知だと思いますが、改めて確認しておきましょう。
- 期日管理がラクになる
- 毎月の返済額が減る
- 低金利で借り換えできる
- 支払い総額が少なくなる
期日管理がラクになる
複数の借入先からの返済を一本化できるため、毎月の期日管理がラクになります。
借入先が複数だと返済日がバラバラになるケースがほとんど。そのバラバラの返済日に合わせてお金を用意しないといけませんよね。
返済日をうっかり忘れたら遅延損害金を取られたうえ、信用を損ねてしまいます。
そうならないための期日管理がけっこう面倒ですが、毎月の返済日が特定の一日に固定されるだけでも、精神的にはかなりラクになります。
毎月の返済額が減る
複数のローンをまとめて一本化することで、毎月の返済額が減り、経済的な負担を減らすことができます。
例えば今まで毎月の返済額が、
- A社 1万円
- B社 2万円
- C社 1万5000円
合計4万5000円だったものが、D社に一本化することで毎月2万円を返済すればよくなるなど、負担が減ります。
注意点として毎月の返済額が少なくなれば、元金の減り方も遅くなります。
元金の減り方が遅いと完済が遅くなる、利息を多く払うことになるなど不安材料がありますが、毎月の返済額を捻出するのが難しいときには、返済額が少なくなるおまとめローンは有効な手段です。
なお、おまとめ前後の金利差によっては、その不安材料を避けられる可能性があります。
今までより低い金利で借り換えできる
おまとめローンを利用することで、基本的には低金利で借り換えることができます。
仮に複数ある中の借金のひとつが借り換え前より金利が高いことがあっても、借金総額全体として低金利に移行できます。
そもそも、「貸金業法に基づくおまとめローン(もしくは借換ローン)」は、「顧客に一方的に有利となる」という大義名分のもとで年収の3分の1を超えて借りられる特別扱いの商品。
だから、低金利で借り換えられることが大前提です。
支払い総額が少なくなる
従来の借入よりも低い金利で借り換えできることは、支払う利息も少なくなることを意味します。
支払う利息が少なくなれば、自ずと完済までの支払い総額が削減されます。
ただ、前述したようにおまとめしたことにより、毎月の返済額が減り、その分返済期間が延びると支払い総額が増えてしまうことも個々の事情によっては発生する可能性があります。
が、仮にそうだとしても毎月の返済の首が回らない状態のときには、おまとめローンは最後の砦として有効な再建手段になりえます。
おまとめローンのデメリット
おまとめローンのデメリットについても抑えておきましょう。
おまとめローンを組むことで、信用情報に悪影響を及ぼすような欠点はなくデメリットというよりも注意点として捉えてください。
- おまとめできない借金がある
- 審査が厳しい
- 審査がOKでも一本化できない場合がある
- 金利が低くなるとは限らない
- 支払い総額が増えることがある
- 追加借入ができない
おまとめできない借金がある
おまとめローンといいつつも、一本化できない借金の種類があります。
借金と言ってもいろいろありますよね。
- 消費者金融からの借入
- クレジットカード、信販会社のローン
- 銀行ローン
- クレジットカードのリボ払いや分割払い
- 住宅ローンの借入
- 車のローンの借入
- 奨学金の借入・公的融資・事業資金融資
消費者金融のおまとめローンの場合、上記の銀行ローンから下の借入れはおまとめできないのがほとんど。
すべての借金がまとめられるわけではないので、 利用する前にどの借金がまとめられるかを確認することが大切です。
審査が厳しい
前述したようにおまとめローンの審査は、通常のローン審査よりも厳しいと思ってください。なぜなら、融資額が大きくなるがちで業者にとってはリスク度が増すから。
そのため、返済能力をより厳しくチェックされることが多く、審査基準が厳しくなっています。信用情報機関による信用情報の確認や、属性などもしっかりとチェックされます。
また、リスクが増すから金利を上げたいのが本音のところ、おまとめというローンの性質上、金利をおさえる商品設計が必要で、リスクに見合う金利収入を得られない業者の事情がもあります。
ですから業者としては従来以上に慎重な審査になりがちです。
審査がOKでも一本化できない場合がある
仮に審査に通ったとしても、希望通りに一本化できないケースがあります。
おまとめローンは総量規制の対象外なので、借入上限が年収の3分の1といったような法律上の制約はありませんが、業者が青天井で貸してくれないことは言うまでもありません。
あくまでも業者が許容する金額範囲でしか契約できないので、一部の借金が他社に残ってしまうことは想定しておく必要があります。
金利が低くなるとは限らない
まれにおまとめローンの適用金利が、契約中のローン金利よりも高くなるケースがあるかもしれません。
例えば、
- A社 100万円 金利18.0%
- B社 30万円 金利10.0%
- C社 70万円 金利17.8%
これをD社のおまとめローン13.0%で契約するような場合、B社の借入を単独でみると金利が3%上昇します。
ただ、A社、B社、C社の借入残高や金利など総合的に考えると有利なので、あまりデメリットとして意識しなくてよいかもしれません。
支払い総額が増えることがある
返済負担を軽減するためのおまとめローンなのになぜ?と思うかもしれませんが、支払い総額が多くなることがあるので注意が必要です。
おまとめローンを組むことで毎月の返済額は抑えられますよね。毎月の返済額が少ないということは元金の減り方が遅くなります。
そして元金の減り方が遅いということは、単純に考えると返済期間が延びて利息を多く払うことになり、結果として支払い総額が多くなることが理論上あります。
返済額の水準や返済期間によって一概にはいえないので、おまとめする前と後で計算して比較するようにしましょう。
ただ、支払い総額が多くなることよりも、毎月の返済負担を軽減することを優先するという考え方があっても良いと思います。
追加借入ができない
おまとめローンは、融資実行後は返済するだけでカードローンのように追加借入れはできません。
デメリットとしてあげましたが、むしろメリットと言えるかもしれません。
人は誰しも弱いです。追加借入れができるとなれば、ダメだと分かっていて新たな借入れをしてしまいます。ほぼ間違いなく。
多重債務から脱却して生活を再建するためのローンですから、人間の弱さが入るスキがない方がよいと思います。
少し脱線しますが、おまとめローン業者に中には、融資金を顧客に渡さないことがあります。
顧客に渡さず業者が借入先に対し、顧客の名前で振り込んで確実に完済させるわけです。これも人間の弱さがわかっている良い運用だと思います。
おまとめローンどこも通らない時の対処法
複数の業者に申し込んだ結果、審査がどこにも通らなかったときの次の一手を考えてみましょう。
すべての人に共通して使える手段ではありませんが、候補として捉えてください。
- 副業で稼いで返済資金を作ることも検討
- 保険の契約者貸付が可能か確認
- 親近者に借りられないか検討
- 苦しくても闇金融は絶対に利用しない
- 多重債務の相談窓口に無料相談
副業で稼いで返済資金を作ることも検討
ウザい説教に聞こえるかもしれませんが、働いて稼いで返済資金を作るのが固いやり方です。
本業を持っているのなら副業することを考えましょう。ネットビジネスなどの先が見えないものにチャレンジしてはダメです。
飲食店の店員、清掃員、警備員など汗をかいた対価を確実に手にできるものがよいです。
昼間の本業が終わったあとに、パチンコホールの店員などでアルバイトすると時間の融通がきくことに加え良い収入になります。
生活環境にもよりますが、本気で借金を完済したいならそれくらいの覚悟で臨みたいです。
保険の契約者貸付が可能か確認
意外と知られていませんが、生命保険の契約者貸付でお金を用立てすることができます。
解約返戻金の一定割合(例えば80%)まで、低金利で借りることができます。
自分の資産を取り崩すような形になるので、信用審査という概念がなくほぼ確実に借りられます。
保険加入期間が長い場合には、百万円単位で借りられることもあるので一度確認してみてください。
保険の契約者貸付については以下ページで詳しく解説しています。
保険の契約者貸付について解説。お金を借りることができないとか借りたくないときの選択肢のひとつになるローンに頼らない方法です。
親近者に借りられないか検討
現実としては難しいことかもしれませんが、親近者に頼れるなら債務を減らす援助を求めることを考えたいです。
親、兄弟、友人、知人など身近な人ほど迷惑をかけたくない心理が働きますが、自力で解決できないのなら選択肢として検討すべきです。
苦しくても闇金融は絶対に利用しない
自力ではどうにもできない、身近な人も頼れない、そういう追い込まれた状態になると、ワラをもつかむ思いで闇金融に手を出してしまう人がいます。
あえて言うまでもないことですが、闇金融に手を出すと人生が崩壊します。
低金利に借り換えするおまとめローンとは真逆の、法外な高金利に借り換えするようなものです。
闇金融の実態は以下のページで解説しています。
絶対に借りてはいけない闇金融の全貌を解説しています。本当に存在するの?といった素朴な疑問から、その恐ろしい正体、闇金被害の実例などを紹介。もし今、闇金の利用を考えているなら、闇金の危険性を知り、一度立ち止まって冷静に考えて踏みとどまってもらえるきっかけになれば幸いです。
多重債務の相談窓口に無料相談
ここまで説明した方法で解決の目処が立たない場合は、最後の手段として公的な相談窓口を頼りましょう。
多重債務の相談窓口には、国や自治体が設置しているものや、一般社団法人が運営しているものなどがあります。
個々の状況に応じた窓口を探して連絡してみることです。できれば電話ではなく対面でじっくり話を聞いてもらうことをおすすめします。
この段階になると債務整理を検討する確率が高くなります。そうなると専門家のアドバイスが必要になりますが、弁護士など専門家の紹介もしてもらえます。
ひとりで悩んでズルズルと時間ばかりが経過して、解決の機会を逃してしまわないよう、早めに相談するようにしてください。
お金の相談窓口は以下ページでまとめています。
お金のことで相談したいときの窓口を集めました。生活再建したいとか、債務整理のこと、貸金業者とのトラブル、ヤミ金融の被害など、お金のことで困ったときに誰に頼ればよいか、幅広に相談窓口を紹介しています。
まとめ
借金が重なり返済が困難になってしまった場合に駆け込むのがおまとめローン。
しかし、おまとめローンはすべての借金をまとめられないことや、審査が厳しいことがあり注意が必要です。
以下、これまでの内容の重要な部分を箇条書きにしてまとめます。
- すべての借金をまとめられないことがある
- 総じて審査は厳しいが、中小消費者金融は大手に比べると柔軟
- 総支払い額が今より減ることを確認し、3社以内が目安
- メリットは毎月の期日管理、返済金負担が軽減すること
- 一方で、追加借入できないことや、返済期間が延びることで支払い総額が増える可能性がある
- おまとめローンが通らない場合は、問題先送りして解決の機会を逃さないよう別の対処法を考えよう
おまとめローンに関するQ&A
- おまとめローンの審査は甘いですか?
- 一般のローンと同じで甘いことはありません。むしろ業者側のリスクが高いので厳しいです。ブラックOKはありえないし、他社延滞中は審査がおりません
- おまとめローンは何社までの借入をまとめられますか?
- 他社借入れは3社以内が目安です
- おまとめローンは総量規制の対象ですか?
- 貸金業法に基づくおまとめローンは、一方的に顧客に有利になる借り換えとして総量規制の対象外です
- おまとめローンを利用した場合に起こり得るデメリットは何ですか?
- おまとめできない借金がある、審査が厳しい、審査がOKでも一本化できない場合がある、金利が低くなるとは限らない、支払い総額が多くなることがある、追加借入ができない、などがあります
- おまとめローンは即日融資が可能ですか?
- 一般的には即日融資が難しい場合が多いですが、中には即日融資を行っている業者もあります
- おまとめローンがどこも通らない場合の対処法はありますか?
- 副業で稼いで返済資金を作ることも検討するほか、保険の契約者貸付が可能か確認する、親近者に借りるなどの方法があります。苦しくても闇金融は絶対に利用してはいけません。また、債務整理を検討することもできます