エムユー信用保証のカードローン審査は厳しい?貸金業主任者が解説

地方銀行カードローンの保証会社として有名なエムユー信用保証株式会社。

審査の実権をにぎっているだけにエムユー信用保証の審査が気になりますよね。

でも、資本関係のある消費者金融アコムとの関係を紐解くことで、厳しいとは言えない状況が見えてきます。

このページでは、気になるエムユー信用保証の審査に関して詳しく解説しています。

エムユー信用保証の保証提携先で、イチオシの銀行カードローンも紹介しているので参考にしてください。

↓このページの解説動画(4:46)↓

エムユー信用保証はどんな会社

エムユー信用保証は信用保証事業の専門会社

エムユー信用保証(正式名:エム・ユー信用保証株式会社)は、個人向けローンの信用保証事業を専門にしている会社です。

黒子みたいにあまり表に出ない会社なので一般的には知られていませんが、実は銀行カードローンの保証会社として有名な会社。

もしかしたらアイドルグループ出演のCMを通じて知っている人がいるかもしれません。

▼Twitter上の投稿

もともと消費者金融アコムと三菱東京UFJ銀行(現・三菱UFJ銀行)の共同運営会社としてスタートし、現在はアコムの連結子会社になっている三菱UFJフィナンシャルグループの企業なんです。

アコムの子会社という部分が、後でエムユー信用保証の審査を語る際のポイントになるので、覚えておいてください。




信用保証会社としてのエムユー信用保証の主な業務は、

  • 銀行の個人向け無担保ローンの審査
  • ユーザーが返済できないときに代位弁済

することです。

個人向け無担保ローンの審査

エムユー信用保証は個人向け無担保ローンの豊富な審査ノウハウを駆使して銀行カードローン審査を担っている

銀行は法人融資に関してはプロ中のプロですが、個人向け無担保ローンについては十分な審査ノウハウを持っていません。

個人に対する融資を主力にしていないのと、そもそも銀行の融資は基本的に担保ありきの取引で、無担保でお金を貸す商売ではないのでノウハウの蓄積がないんです。

そこで銀行はカードローン等の審査を、個人向け無担保ローンのノウハウが豊富な消費者金融や信用保証専門会社の力を借りています。

そんな中でエムユー信用保証は信用保証会社の有力会社として、多くの銀行から頼りにされている存在というわけです。

ユーザーに代わって代位弁済する

エムユー信用保証はユーザーに変わって代位弁済し銀行から不良債権を買い取っている

保証会社としてのもうひとつの仕事が債権管理で、ユーザーがローンの返済ができなくなった時に代位弁済することです。

代位弁済は聞きなれない言葉ですがかんたんに言うと、

「延滞して手に負えなくなったユーザーの肩代わりをしますよ」

ということ。

つまり、ユーザーに代わってエムユー信用保証が銀行に全額返済(これを代位弁済といいます)し、銀行が背負うはずの不良債権を引き受けます。

不良債権を引き受けた後は、エムユー信用保証が債権者になってユーザーから回収するという構図です。

エムユー信用保証から代位弁済の通知を受け取けるような状況は、信用情報上としては金融事故に値するいわゆるブラックの位置づけになってしまいます。

エムユー信用保証の審査は厳しい?甘い?

銀行カードローンは銀行自身も審査を行いますが、実質的に審査決定権をもっているのは保証会社であるエムユー信用保証です。

なぜなら、前述したように個人向け無担保ローンの審査ノウハウはエムユー信用保証の方が勝っていて、銀行は業務を委ねているから。

エムユー信用保証がOKを出せば、基本的に審査に通過する設計といっても過言ではありません。

そこでエムユー信用保証の審査の流れを確認したあと、審査基準についてぜにぞうなりの見解を説明します。

審査の流れ

エムユー信用保証の審査の流れ

エムユー信用保証の審査は、大まかな工程として以下の3つです。

  • スコアリング審査
  • 信用情報のチェック
  • 本人確認&在籍確認

ひとつずつ簡単に説明します。

スコアリング審査

スコアリング審査は、融資を希望する個人の信用力を評価する方法のひとつ。

「スコア」は点数のことで、要するに個人の属性に関する情報(年収、職業、勤続年数など)を点数化し、その合計得点で審査可否を決定します。

例えば(あくまでイメージですが)、

  • 年収であれば、「500万円未満=1点」「500万円超=3点」
  • 勤続年数であれば、「半年未満=1点」「5年以上=3点」

こんな感じで、ユーザーが申込時に記入・入力した内容をすべてシステムで点数化し、その合計点数で機械上の合否判定が行われます。

信用情報のチェック

申し込み情報に基づく信用審査に加え、申し込み情報からは分からない信用情報のチェックがされます。

それが信用情報機関に登録されている他社情報の照会です。

信用情報機関には加盟している金融業者が自社の情報をもちよって共有しているので、その情報をチェックするわけです。

他社の借入残高、返済状況、事故状況などを参考に最終判断を下す流れになっています。

特に金融事故については厳しくチェックされます。各種ローンの返済、クレジットカードのショッピング代金支払い、携帯端末機器代の分割払い、自動車ローンの返済、奨学金の返済なども含まれます。

利用している信用情報機関

エムユー信用保証が利用している信用情報機関は3つあります。

エムユー信用保証が直接加盟している信用情報機関(2つ)と、加盟先の機関が提携する信用情報機関(1つ)です。

直接加盟の信用情報機関 株式会社日本信用情報機構
株式会社シー・アイ・シー
提携先の信用情報機関 全国銀行個人信用情報センター

それぞれの機関に関する細かい説明は省きますが、

  • 日本信用情報機構が消費者金融系
  • シー・アイ・シーがクレジット・保証会社系
  • 全国銀行個人信用情報センターが銀行系

と考えてもらうと良いです。携帯電話会社もシー・アイ・シーに加盟しています。

この3社は事故情報等の交流も行っています。つまり、「金融」でくくられる業界の信用情報は、すべてエムユー信用保証をはじめとした金融業者に筒抜けになっています。

本人確認&在籍確認

最後に信用調査とは少し毛色が違いますが、本人確認と在籍確認も審査の一部として行われます。

本人確認は本人確認書類で申込者本人であることを確認することで、在籍確認は勤務先に在籍していることを確認する工程です。

本人確認は法律で義務付けられている必須事項で、在籍確認も返済能力を裏付ける安定収入を確認する避けて通れない部分です。

審査基準が厳しいとは言えない

エムユー信用保証の審査基準は公表されていないため、もちろん外部の人間にはわかりません。

ただ、エム・ユー信用保証の審査は厳しいわけではないと分析しています。その理由はこうです。

通常、融資会社の審査基準というのはブラックボックスで分からない部分なので、本来であれば他の業者と同じように、エムユー信用保証もわかりません。

でも、エムユー信用保証がアコムによって作られた会社であり、エムユー信用保証が行っている審査・保証業務は、アコムが長年培ってきたノウハウをベースにしている事情があります。

つまり、アコムの審査基準=エムユー信用保証の審査難易度という構図になるので、アコムの審査難易度が分かれば、おのずとエムユー信用保証のそれもわかります。

アコムの審査承認率から導き出したエムユー信用保証の審査難易度

ここからが重要ポイントになるのですが、実は、別のページで大手消費者金融3社の審査承認率を分析したページがあります。

その中で、アコムがデータ上もっとも優勢だという結果が出ています。 詳細は下記ページで解説しています。

「そんなのは推測じゃないか!」

そんなふうに思われるかもしれませんが、警察の捜査でも状況証拠を積み上げて真実を突き止めるやり方があります。

それと同じで、アコムとの関係を踏まえると、エムユー信用保証の審査が通りやすいとみるのは実態を大きく外していないと分析しています。

審査難易度は変動することがある

信じられないかもしれませんが、審査難易度は一定ではなく時期によって変動することがあります。

エムユー信用保証に限った話ではありませんが、銀行融資を裏で保証している会社は、

  • 不良債権率
  • 事業計画

によって審査の甘辛が変わります。

筆者のぜにぞうが貸金業者社員だったころから、当たり前に行われていました。

不良債権率による審査基準への影響

エムユー信用保証などの保証会社は、銀行との取り決めによって一定の基準で保証料を銀行から得ています。

銀行から保証料をもらう代わりに、ユーザーが支払不能に陥ったときに代位弁済して、不良債権を肩代わりするわけですね。

不良債権が多いときは、保証料を上げてもらわないと保証会社としての商売がなりたちません。

ということで、半年または1年ごとに不良債権率をはじいて銀行と保証料の見直し交渉をしています。

交渉の結果、リスクに見合う保証料をもらえないような場合は、審査基準を厳しくするなど対応方針を変えることは珍しくありません。

事業計画による審査基準への影響

審査難易度が変わるもうひとつの要因が事業計画です。

保証会社側の事業計画というよりは、銀行側の事業計画によって審査難易度が変わることがあります。

新規顧客を積極的にとっていこうとすれば、おのずと審査基準は下がる傾向があり、収益を重視する計画なら審査ハードルを上げたりということが普通にあります。

エムユー信用保証の審査に落ちたら

エムユー信用保証の審査に落ちたら、エムユー信用保証が保証会社を務めている銀行カードローンを避けるのが鉄則

もし、エムユー信用保証が保証している銀行カードローンの審査に落ちた場合はどうしたらよいか?

その場合は、エムユー信用保証が保証会社を務めている銀行ローンを避けるのが鉄則です。

裏方の保証会社が同じエムユー信用保証であれば、審査基準は原則変わらないと見るべきです。一度否認した人の審査はより慎重になるのは想像つくと思います。

社内システムに審査断りの記録が残っています。過去に否認した人の判断を変えるのは、信用を扱う会社としてハードルが高いことを元貸金業者マンのぜにぞうはよく知っています。

エムユー信用保証が保証する銀行カードローン

エムユー信用保証が保証している銀行カードローン

エムユー信用保証が保証業務を行っている銀行カードローンは、以下の28行です。

※50音順(2024年2月1日現在)

秋田銀行 阿波銀行
池田泉州銀行 鹿児島銀行
北九州銀行 紀陽銀行
熊本銀行 佐賀銀行
山陰合同銀行 滋賀銀行
静岡銀行 七十七銀行
十八親和銀行 第四北陸銀行
筑邦銀行 千葉銀行
東邦銀行 栃木銀行
百五銀行 百十四銀行
福井銀行 福岡銀行
北洋銀行 三菱UFJ銀行
みんなの銀行 武蔵野銀行
もみじ銀行 山口銀行

引用元:エム・ユー信用保証HP

三菱UFJ銀行と地銀27行の合計28行です。地銀は全国に62行あるので4割くらいをカバーしてます。

金融業界に詳しい人であればピンときたかもしれませんが、保証契約している地銀は三菱UFJ銀行とかかわりがある銀行ばかりですね。

すべての銀行を紹介しきれないので、預金量上位3行(2022年9月期)のカードローンを紹介します。

千葉銀行カードローン(地銀第2位)

エムユー信用保証が保証会社を務める千葉銀行カードローン。

ちばぎんの口座を持っていなくても申込み可能。Webで手続きが完結、書類の郵送もなし。

ただし、お住まいまたはお勤め先の所在地が限られています(千葉県全域、東京都全域、茨城県全域、埼玉県全域、神奈川県横浜市・川崎市)

静岡銀行カードローン「セレカ」(地銀第4位)

お申し込みはWEBで完結。全国から申し込みOKの静岡銀行カードローン「セレカ」。

キャッシュカードと一体型で便利。しずぎんATMならいつでも手数料無料、セブン銀行ATMなら月3回まで手数料無料。最大45日間分の利息キャッシュバックなど魅力満載。

[情報更新]
2023年5月1日現在、保証会社は静銀ディーシーカードおよび新生フィナンシャルに変更されています。

七十七銀行カードローン(地銀第8位)

エムユー信用保証が保証会社を務める七十七銀行カードローン「77スマートネクスト」。

安定した収入があれば勤続年数や年収にかかわらず申込み可能。キャンペーン期間中は最大3か月分の利息キャッシュバックあり。

なお、お住まいまたはお勤め先の所在地が七十七銀行本支店内に限られています。77カードローンは七十七カードが保証。

イチオシは三菱UFJ銀行カードローン「バンクイック」

エムユー信用保証の審査が気になっている人は、おそらく地銀カードローンを狙う場合がほとんどだと思います。

でも、あえてぜにぞうは地銀ではなく「三菱UFJ銀行カードローンのバンクイック」をイチオシします。

「ちょっと待って!銀行最高峰のメガバンクをすすめられても、審査基準も最高峰なのでそりゃムリでしょ?」

と思うかもしれません。

でもそんなことはありません。なぜかと言うと、バンクイックは銀行本来の厳しい審査基準ではないからです。そのあたりのカラクリを説明します。

バンクイックが銀行本来の厳しい審査基準ではない理由

バンクイックがメガバンクの高ステイタスなのに銀行本来の厳しい審査基準ではない理由

三菱UFJ銀行はエムユー信用保証の保証先ですが、実は後でも紹介しますがアコムも三菱UFJ銀行と保証委託契約があります。

そして「三菱UFJ銀行カードローンのバンクイック」の保証はアコムが担っていて、審査業務はアコムが実質のプレーヤーという特殊な事情があります。

格式高いメガバンクのローン商品ともなれば、ターゲットにしている顧客属性も高くなるのが普通ですよね。しかしバンクイックの審査はアコムに丸投げになっているのが実情。

ということは、バンクイックの審査は厳しいとは言い切れないわけです。

詳しくは下記ページで解説しています。

しかも、「カードローン審査が不安な人が狙うべき消費者金融【独自分析】」のページで解説しているように、大手消費者金融3社の中でアコムがいちばん審査通過率が高いことがわかっていて、そのアコムの審査基準がバンクイックに適用されることになります。

メガバンクの高ステイタスを持ちながら銀行本来の厳しい審査基準が適用されない特殊事情があるので、同じ銀行カードローンに申し込むのならバンクイックの方がダンゼン価値が高いです。

エムユー信用保証の親会社であるアコムが保証している銀行はまさに神金融と言ってもよく、結構穴場で賢い方法だとぜにぞうは思っています。

バンクイックの詳細ページはこちら>>

アコムが保証会社を務める銀行カードローンは?

アコムが保証会社を務める銀行カードローン一覧

最後にアコムが信用保証事業を行っている提携金融機関を記載しております。

なぜここでわざわざアコムの保証先に触れるのかというと、アコムは連結子会社であるエムユー信用保証の2社で信用保証事業を展開しているから。

二人三脚の関係にあるので、もし銀行カードローン審査に落ちて別の銀行に申し込む際には、エムユー信用保証に加えて、アコムが保証している銀行を避けた方が無難だからです。

■アコムの保証提携先一覧(2023年3月2日現在)
北海道銀行 auじぶん銀行
広島銀行 セブン銀行
スルガ銀行 伊予銀行
十六銀行 三十三銀行
青森銀行 宮崎銀行
八十二銀行 武蔵野銀行
西日本シティ銀行 中京銀行
長崎銀行 足利銀行
南都銀行 鳥取銀行
北陸銀行 大分銀行
常陽銀行 四国銀行
群馬銀行 ソニー銀行
岩手銀行 琉球銀行
三菱UFJ銀行 山梨中央銀行
山形銀行 LINE Credit

引用元:アコムHP

保証提携先は30社あり、赤字にした三菱UFJ銀行だけがエムユー信用保証とアコムが保証契約先として重複しています。

アコムが保証会社を務める銀行カードローンを利用するときの注意点を以下ページで解説しています。

まとめ

エムユー信用保証は、個人向けローンの信用保証事業を専門にしている三菱UFJフィナンシャルグループの会社であり、消費者金融アコムの連結子会社。

三菱UFJ銀行と地銀27行の銀行カードローンの保証会社として有名な会社で、審査ではお目にかかることが多い存在です。

以下、エムユー信用保証の審査に関して重要な部分を箇条書きにしてまとめます。

重要ポイント

  1. 実質的に銀行カードローン審査の決定権を握っている
  2. ユーザーが返済できないときに代位弁済する
  3. 審査の流れは、スコアリング審査→信用情報チェック→本人確認&在籍確認
  4. 3つの信用情報機関を利用して審査している
  5. アコムとの関係から審査基準が厳しいわけではない
  6. 審査難易度はが不良債権率や事業計画によって変動することがある
  7. エムユー信用保証の審査に落ちたら、別の保証会社のローンに変えるのが無難
  8. イチオシは三菱UFJ銀行カードローンの「バンクイック」
  9. アコムが保証している銀行カードローンも考慮が必要

エムユー信用保証の審査に関するQ&A

エムユー信用保証はどこの会社?
個人向けローンの信用保証事業を専門にしている三菱UFJフィナンシャルグループの会社です。
エムユー信用保証とアコムの関係は?
エムユー信用保証は消費者金融アコムの連結子会社で、共同で信用保証事業を展開しています。
エムユー信用保証の審査はどう?
アコムが長年培ってきたノウハウをベースにしているため、審査基準が厳しいとはいえません。
エムユー信用保証の代位弁済とは?
ユーザーがローンの返済ができなくなった時に、ユーザーに代わってエムユー信用保証が銀行に全額返済する保証会社の機能です。
エムユー信用保証の信用情報はどこを使ってる?
日本信用情報機構、シー・アイ・シー、全国銀行個人信用情報センターの信用情報を利用して審査を行っています。
アコムの保証会社はどこ?
アコムが保証している提携先は30社あり、エムユー信用保証と分担して保証しています。